School situation学校の様子

教育実習生 生徒の興味関心を高める授業づくり

 先週から始まった教育実習。どの学生も生徒の興味関心を高めるよう授業づくりに励んでいます。
 5月19日(月)3校時、1年生の社会で「世界各地の人々の生活と環境」の単元で、「温暖な地域に生きる人々―イタリアを例にー」の学習を、実習生が担当しました。
 
 導入として、「日本からイタリア・ローマまでの飛行時間は12時間30分です。日本(東経135度)を11月10日午後3時に出発したとき、ローマ(東経15度)には、何月何日何時(日本時間)に到着しますか?」という問いが出されました。生徒たちは、グループで話し合いながら、先日学習した経度と時差の知識を活用し、到着時間を導き出しました。
 
 まず、ローマと東京の雨温図を比較。気温はあまり変わりませんが、降水量はローマは東京より少なく、夏は乾燥します。東京が温暖湿潤気候であることに対して、ローマ(イタリア南部)は地中海性気候であることを学びました。

 次に、イタリアと日本の住居の造りを比較。いわゆる「日本家屋」は木を材料として使用していることから、調湿機能や耐震性が高いと言われています。一方、イタリアの住居の多くは、石造りで窓が小さいの特徴です。石は暑い夏でも熱が伝わりにくく、室内を涼しく保つことができます。またヨーロッパは地震が少ないため、石を積み上げた建物が昔から造られています。

 そして、生徒が大好きな「食」。イタリアといえばチーズ、ワイン、パスタがイメージされるということから、イタリアの「食」と「気候」との関係について、教科書や資料集、タブレットPCから必要な情報を収集し、グループで話し合いながらワークシートに整理しました。
 
 イタリアは、縦に長い国で、北部は西岸海洋性気候で、夏の乾燥はなく、年中降水があり、湿潤な気候です。アルプス山脈の斜面側では、隣国スイスと同じように酪農が盛んで、チーズの生産量は世界第4位です。
 地中海性気候の南部では、夏の乾燥に強いオリーブやブドウの栽培が盛んです。特にブドウの生産量は世界第2位、ワインの生産量は世界第1位です。
 また、北部、南部共に冬の降水を利用し、主食である小麦を生産し、パンやパスタとして食されます。

 その地域の「住」が、なぜそのような構造なのか、なぜその「食」が地域に根付いているのか。これらを地理的条件と合せて考えると、物事が立体的に見えてきて面白いということに、生徒たちはこの授業を通して気づいたようでした。

 実習生は、作成した学習指導案について、指導教員から丁寧に指導を受けます。その中で発問を磨いたり、ICTを活用したりして、生徒の興味関心を高めるよう日々工夫を重ねています。

【導入の答え】
 時差のないところであれば、11月11日午前3時30分に到着ですが、時差が生じるので、次の計算をしなければなりません。
 日本とイタリアとの緯度の差は、135-15=120
 日本より東へ15度進むと、プラス1時間となる。
 イタリアは日本より西にあることから、120÷15=8で、マイナス8時間となる。
 なので、11月10日午後7時30分に到着。