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研究発表会―「Agency」を育む実践を公開―

 11月14日(木)、本校にて令和6年度教育研究発表会を開催しました。北海道から鹿児島まで約270名の教職員、学生、教育財団の方々にお越しいただき、盛況裏に終えることができました。
 今年度から研究主題を「学びの価値を見出す生徒の育成を目指して―生徒自ら知識の価値を見直し、エージェンシーを育む―(第一年次)」として、研究および実践を行っています。「OECD LEARNING COMPASS 2030」の中心概念である「Agency」(変化を起こすために、自分で目標を設定し、振り返り、責任をもって行動する能力)の育成をめざし、3か年を見通した計画の1年次です。
 次のようなテーマで各教科、授業を公開しました。

・国語:「大橋 あたけの夕立」に関する鑑賞文2種類を読み比べよう。(2年)
・社会:ヨーロッパが抱える移民問題を参考に、日本における移民政策を検討しよう。(1年)
・数学:論理的に説明することの必要性を理解しよう。(2年)
・理科:自然界における人間の役割とは何だろう。
    ―シュミレーションを行い、自然界における人間の役割を考察する―(3年)
・美術:人はどうして絵を描くのだろう。(3年)
・保健体育:ゲームの中で与えられた条件をクリアするために、チームで考え、実践しよう。【バスケットボール】(2年)
・技術:使いやすい棚の形を考えよう。【木工】(1年)
・英語:京都におけるオーバーツーリズムやSDGsの観点から、新しい観光プラン“Sustainable Kyoto Tour”を作成し、京都に住む留学生に紹介しよう。(2年) 
 
 生徒は多くの参会者の方に少し緊張しながらも、4人グループでの話し合い活動や、探究的な学びなど、普段通りのパフォーマンスを披露していました。
 その後の教科別協議会では、各教科での実践や公開授業のねらいについて本校教員から説明し、参会者の方からご意見やご感想を頂戴しました。また、公開授業について、京都府教育委員会および京都市教育委員会の指導主事の先生方、本学の共同研究者から講評やご助言をいただきました。
 講演会では、学習院大学教授・東京大学名誉教授の秋田喜代美先生から「学びの価値に気づく生徒の育成―京都教育大学附属の実践に学ぶ―」をテーマに、ご講演いただきました。世界の教育の潮流やその理論の中に、本校の実践の特徴を織り交ぜてお話いただきました。参会者の方にとっても、本校教員にとっても、示唆に富む大変貴重なお話を聞かせていただき、研究への展望がよりクリアーになりました。 
 
 ご多用の中、ご参加いただいた皆様、本研究および本発表会にご協力をいただきました方々に厚く御礼申し上げるとともに、皆様からいただいたご意見やご助言を生かし、今後も研鑽を積んでまいります。