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教員指導力向上研修―静岡県から来校― 

 11月29日(金)、静岡県藤枝市の先生方が「教科指導力向上研修」で来校されました。音楽科の伝統音楽の鑑賞と、筝による創作の授業を参観していただきました。
 2年生の鑑賞では、歌舞伎十八番「勧進帳」の【詰め合い】と【判官御手】の場面を鑑賞し、長唄と囃子のリズムの違いについて比較しました。
 安宅の関で、富樫が「強力が義経に似ている」と、刀を取って一行を呼び止めます。弁慶は「お前の仕事が拙いから疑われるのだ」と強力(義経)を杖で何度も打擲します。それでも引かない富樫と番卒に対して、弁慶は「寄進された品を盗もうとする盗人だ」と、言いがかりをつけます。これに義経の部下である四天王も富樫に詰め寄ります。【詰め合い】
 このように弁慶が必死に主君を守ろうとする姿に心を打たれた富樫は、関所を通る許可を与えます。富樫が去った後、弁慶は義経を打擲した罪に対して涙しますが、義経は手をさしのべてなぐさめます。【判官御手】
 生徒達はこの2つの場面の音楽の違いについて、気づいたことや感じたことを仲間と話し合いながら、次のような解を導き出しました。

【詰め合い】では、緊迫した様子をテンポの速い長唄や刻みの激しい三味線で表現し、【判官御手】では、関所を通過した安堵感が、一言一言のばして歌う長唄や1本の三味線で表されている。

 3年生の創作では、筝を用いた創作(作曲)を小グループでしました。筝の単元で「さくらさくら」の演奏や「六段の調」を学習した後の発展学習としての位置づけです。
 「起承転結」に分けて構想し、単旋律で創作(作曲)します。創作のヒントとして、日本の伝統音楽だけでなく、交響曲第5番「運命」(ベートーヴェン作曲)の学びも生かせるよう指導の工夫がされていました。
 生徒達は仲間と協力して、何度も試行錯誤しながら譜面に音階を書いていました。

 これらの授業の後、担当教員と参会者で本授業について協議し、授業づくりの視点や音楽教育について交流しました。  
 本校教員にとっても他校の先生方と交流することで、色々な示唆を得ることができました。
 遠方からご来校いただきましてありがとうございました。