6月3日に,東京大学名誉教授 佐藤学先生と,東京大学教授 小国喜弘先生 をお招きして授業研究会をおこないました。すべての授業を参観いただき,6時間目には1年1組の数学で全体研究授業をおこないました。授業では,正の数負の数の単元で素因数分解のところで指数を扱いました。中学1年生が理解できる範囲で簡単には答えが出ないものとして,指数の拡張を取り上げました。「2の0乗」や「2の-1乗」などの難問に対して,指数法則に着目してグループ活動をおこないました。
講師の先生方からは,次のようなお話をいただきました。
〇小国先生
グループワークのすばらしさを感じた。生徒に聞いたら,いろんな人の意見が聞けて,自分の意見に対する反応を感じられたと言っていた。先が分からない時代にはより深くいろんな角度から考える教育への転換が必要。グループ活動で,重要な問いと重要でない問いをどう見分けるのかを話し合うと生徒たちの関心に寄り添った授業になっていく。グループの組み方を生徒たちと一緒に考えることで,生徒主導の学びに向かっていく。決め方はくじが理想的。勉強が苦手な生徒どうしの組み合わせになっても上手に学んでいくし,いつもの教えてもらうという立場から抜け出すチャンスにもなる。
〇佐藤先生
授業後に生徒たちが,授業が短かった,夢中になれたと言っていた。授業は生徒たちが学びに夢中になることが重要で,何がそれを生み出したかを考えたい。説明が短く,すぐグループ活動に入ったからだと思う。授業開始後,5分以内にグループ活動を入れるとうまくいく。今後,知的労働に変わっていく世界に生きていく生徒たちの将来のため,説明と暗記,理解中心の授業ではなく,探究中心の授業に変わっていくべき。4人グループですべての時間学ぶのは世界共通のやりかたなので,学びのイノベーション(刷新)を進め,終始4人グループを実践することを勧める。他者の援助や協働で達成できるレベルの学びをデザインしていこう。
本校では,4人グループでの授業実施に取り組んできましたが,今後いっそう4人グループの機能が発揮される授業づくりに取り組んでいきます。 |