3月4日の5・6限に、早稲田大学文学学術院教授で京都教育大学名誉教授の 森山卓郎 先生をお招きして、1年生を対象に「日本語再入門」と題してご講演を頂きました。
①五十音図にも しくみがある
②音で表現を楽しもう
③京都弁にも しくみがある
④ふだんの言葉を見直して伝えあいをよりよいものに
①では、生徒たちが文字を習い始めたときから親しんでいる「五十音図」にある、「ヤ行」と「ワ行」に現れる「穴」に注目して、なぜ「穴」が生まれてしまうのかを、客観的に論理的に、みんなで声を出して音を確かめながらそのしくみについて学びました。
②では、「擬態語・擬音語」と「音のイメージ」について、「蛙」の鳴き声を独特な音で表現した草野心平の詩を用いてみんなで音読し、言葉の音の持つリズム、イメージの面白さや楽しさ、魅力を味わいました。また、情景に合わせてグループで独自に擬態語、擬音語を考えて表現することで、言葉と「音のイメージ」とのつながりを全体で実感することができました。
③では、身近な「京都弁」を通して、本校生徒が在住する近隣府県の方言と具体的に比較しながら、違いや共通点、なぜ方言が生まれるのかなど、グループで話し合いました。森山先生との積極的な質疑応答を通して、「方言」の面白さとその多様性、また違いが生まれる背景についても様々な事例を通して広く深く学ぶことができました。
最後に、森山先生は、「しくみ」を問うことが、科学的思考であること、そして、以下のことを生徒たちにメッセージとして伝えてお話を締めくくられました。
・言葉の中にも「しくみ」がありそうだ!
・身近なところにある「ふしぎ」を大事にしよう!
・「言葉・表現」を楽しもう!
・ふだんの生活の中での「言葉」を意識化しよう!
・いろいろな人たちとつくっていく社会。人の心をつないでいくには「言葉」も大切。
講演の後、14名の生徒たちが代表として、森山先生を囲んで、ふだんの生活で感じている言葉に対する疑問について、座談会形式で質疑応答し、森山先生からの一つ一つの回答に学年全員で熱心に聞き入っていました。
講演会後、森山先生が、1年生の積極的に学ぶ姿勢に対して、大変感激され、1年生の生徒たちに対してたくさんのお褒めの言葉を頂きました。1年生にとって、言葉の感覚が研ぎ澄まされる貴重な学習の時間となりました。 |